営業における新規開拓のヤマ場―重要視すべきはたった1点
営業先の新規開拓が営業活動のヤマであることは、日常業務の中で痛感するポイントです。
営業とは、「何をどう売るのか」+「どこに売るのか」。
個人向けの商品であれば、よく知られる通販サイトに出店すればある程度の知名度は得られますが、BtoBではそういう訳にはいきません。
営業活動そのものよりも、営業先リストの取得が先決であり、また重要なのです。
では、この営業先の新規開拓に必要ないくつかの考え方をひも解いてみましょう。
【最重要】リストの「精度」に注目する
テレアポを経験したことのある方でしたらお解りの通り、100本に1本担当者に繋いでもらえれば良い方なのではないでしょうか。
人件費削減が叫ばれて久しい近年では、一人にかかる作業負担が大きくなったこともあり、何度かけても担当者が捕まらないことの方が多いでしょう。
1社に10回、20回電話をかけることも珍しくありません。
このような状況の中、一度は担当者に繋がったからとリストに加えることは望ましくありません。
これらの「営業につながる可能性がほとんどない」リストは、営業担当者にストレスとなるだけでなく、見込みのない先を回ることからくる無駄な移動コストにも直結するからです。
重要視すべきなのは、「リストの精度」です。
【リストの精度を上げるには・1】WEBで商品・サービスを説明し尽くす
自分に必要な商品やサービスについて、WEBサイトを巡り情報を下調べすることは、個人の消費者のみならず企業でも当然のこととなっています。
このことから考えると、スタッフにストレスとなるテレアポに費用をかけるよりも、WEBサイトでの情報発信の品質を綿密に行う必要が見て取れます。
商品の説明は丁寧に行っているでしょうか。
また、会社組織でありがちなシーンにフォーカスした問題提起と、その商品を使うことによる解決法を明確に打ち出しているでしょうか。
文面や写真は、リスト入りさせたい会社(業種・業態)に沿ったものとなっているでしょうか。
業種・業態に合わせた活用事例を増やせば、「わが社でも活用できそうだ」とイメージしてもらえます。
【リストの精度を上げるには・2】担当者ごとのメリットも打ち出す
一部署のみならず、全社で導入するべきサービスであれば、それぞれの立場で得られるメリットを導入済みの企業にヒアリングし、簡潔にまとめておきましょう。
総務部ではどうなのか、営業部ではどうなのか、各部長はどう感じているのか、最高責任者である社長はどう考えているのか―。
BtoBの営業では、それぞれの部署のキーマンを納得させて初めて導入を決めてもらえるという側面があることから、これらのメリットを解りやすくWEBサイトに取りまとめておくのは営業担当者にとって大きな助けとなります。
比較的上層部に近い人の目にこのようなメリットが目に留まれば、営業活動もスムーズに運びます。
実際の営業活動でありがちな、「受付突破」「階層突破」がここで既に完了しているからです。
【リストの精度を上げるには・3】WEB上の閲覧ルートを追う
どのページから流入してきたのか、その後どのような動きをしているのかを追うことで、WEBサイトのブラッシュアップを行いましょう。
その商品のどこに魅力があるのか、どのような情報を探してWEBサイトにたどり着いたのかを客観的に観察することができます。
このポイントは、実際の営業トークにも活用できます。
【リストの精度を上げるには・4】問い合わせフォームの充実
BtoBの場合、最低でも会社名・役職・年齢・氏名・性別を問い合わせフォームの必須事項にすべきです。
これは、先のWEB上の閲覧ルートを追う事と同時に必要な、営業活動の基本となります。
上層に近い人ほど、見込み客リストの上位に上がってくるはずです。
実際に面談してもらえた際にそっけなくされても、その人はリストから外すべきではない人物であることに間違いはありません。
もしも問い合わせフォームから作成されるリストが、一般社員レベルで埋め尽くされるようであれば、サイトのブラッシュアップが必要かもしれません。
終わりに
ネットで事前調査することが当たり前となった今、WEBサイトからの問い合わせをリスト化することが効率の良い見込み客の探し方と言えるでしょう。
部署ごと+担当者ごとの「商品利用メリット」を充実させることが大切です。
商品のゴリ押しではなく、日々の悩みに寄り添い、きちんと期待に応えることのできるものであることを正確に伝えてください。
リストの精度を上げる作業―WEBサイトで興味を引き付け、メールや電話での問い合わせがあった企業をリスト化することが大きなポイントと言えるでしょう。
根性論の営業は終わりです。
営業先の新規開拓は、WEBやメールマガジンに任せましょう。
情報を発信し、それを受け取ってくれ、更に質問などを投げ返してくれる「キャッチボール」が成立している会社こそ、営業に赴く先なのです。