【販促】三越伊勢丹がTポイント導入へ。果たしてうまくいくか?
老舗百貨店の三越伊勢丹で、25日から「Tポイントカード」が使えるようになりました。
コンビニでも使えるカジュアルなポイントサービスだけに、ネット上では「高級さを大事にしてきた老舗百貨店のイメージが崩れてしまう」とネガティブな意見が目立っています。
しかし、当の三越伊勢丹HDは、「品揃えには自信があり、新規顧客を開拓したい」としています。
果たしてポイントサービスは吉と出るのでしょうか? 凶と出るのでしょうか?
少し考えてみましょう。
三越伊勢丹のTポイント導入は、イメージダウン? それとも起爆剤? (THE PAGE) - Yahoo!ニュース
新規顧客の開拓と顧客のビッグデータ分析・活用が目的
カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が展開するTポイントカードの会員数は2016年3月末時点で5792万人。TSUTAYAをはじめ、ファミリーマートやドトールコーヒーなどの幅広い店舗で使え、簡単な手続きで発行してもらえる。三越伊勢丹HDによると、Tポイントカードの導入目的は、新規顧客を開拓するためで、特定の百貨店をあまり利用しない20~30代のTポイントカード利用者をターゲットに定める。
確かにTポイントカード導入については百貨店の持つ高級イメージにそぐわないと思われますが、高級志向のお客様がずっと百貨店に来ていただけるとは限りませんし、若年層をリピーターとして育てるという意味でも『Tポイントが使えるならば行こうか』と思って足を運んでいただく、きっかけとしてはアリだとは私も考えます。
ただし、いくら品が良くても値段が高くて買えないとなると、やはり客足は次第に遠のいていきます。
「少し無理をすれば買える」ぐらいの価格バランスがベストであり、それを決めるためにもビッグデータの活用を考えているのでしょうが果たしてうまくいくでしょうか?
また、既存の高級志向のお客様の中にもTポイントカードを作りたくても作れない(作り方が分からない)という人がいます。
こういったお客様こそ取りこぼさないようにしたいところです。
美術・宝飾品やレストランの利用など一部対象除外品がある
Tポイントサービスが利用できるのは、全国の三越伊勢丹グループ百貨店27店舗と、小型店105店舗のうちの97店舗。残る8店舗でもPOSシステムの更新など準備ができ次第、対応する見通しだ。ポイント付与条件は、200円(税抜)の買い物につき1ポイント。美術・宝飾品やレストランの利用など一部対象除外品があるほか、グループが独自に発行するエムアイカード(決済機能付き)との併用はできない。
いや、「高価な商品、サービスほどポイントをつけてもらいたい」というのがお客様共通の心理ですし、それこそが百貨店の強みといっても過言ではないのに、ポイントがつかないのであれば意味がないのではないでしょうか?
百貨店側の都合のいいものだけにポイントをつけるのではお客様は納得しませんし、何のためのポイント導入か分からなくなってしまいます。
結局は「名ばかり」「形ばかり」のポイントサービスの導入と言わざるを得ません。
これではうまくいかないでしょう。
「策士、策に溺れる」か?
今回の件、三越伊勢丹は自らの強みの部分を結局は譲っていませんし、そういった敏感な部分をお客様はしっかり見抜きます。
どんな仕事であっても、中身が伴っていないサービスを提供することは、長い目で見てマイナスでしかありません。
結論を言えば残念ながら、今回のポイントサービスはうまくいかないと考えられます。