「バーガー戦争」勝ち組はモスフード “迷走”マックとの違いは何か?
最大手の日本マクドナルドが業績不振にあえぐ中で、かねてから商品の質で勝負する「モスバーガー」を運営するモスフードサービスは、営業利益が前年同期比2.5倍の16億6700万円とV字回復するなど快進撃を続けているそうです。
「バーガー戦争」勝ち組はモスフード “迷走”マックとの違いは… (産経新聞) - Yahoo!ニュース
最近のマクドナルドは相次ぐ店舗閉鎖がニュースとして報道されるように、傍から見ていても不振であることは明らかです。
この記事で「迷走」と書かれているように、マクドナルドは商品の値上げという高級路線を打ち出したかと思うと、すぐ後に低価格戦略を打ち出すという全く一貫していない戦略を取っていることが迷走の要因だと考えられます。
投資家などプロの目で見ても何をやりたいのか分からないことはもちろん、メインのお客様となる素人目で見ても、コンセプトそのものが全く見えてきません。
対するモスバーガーは「安心、安全」「価格が高くてもより質の高いものを提供する」という軸をずっと変えずにいます。
「安くてよいもの」が一番重宝されるのは当たり前のことですが、今の時代は「安いもの」よりも「質のよいもの」が選ばれる時代であるとも言えそうですね。
値段以上に大切な「信頼」
マックは昨年7月の使用期限切れ鶏肉問題と今年1月の異物混入問題の発覚で家族連れを中心に客離れが進んだ。8月の既存店売上高は19カ月ぶりにプラスに転じ復活の兆しが見えたかと思ったが、9、10月は再びマイナスに転落。客数は10月までに30カ月連続のマイナスと、回復の兆しは一向に見えてこない。
一方、産地直送の野菜など食材の質にこだわったモスバーガーの既存店売上高は4月が前年同月比1.9%減だったが、5~10月まで6カ月連続でプラスとなった。4~9月期ベースでは既存店売上高が6.5%増、既存店客単価が9.5%増と伸びた。
前述通り「安くてよいもの」が一番重宝されるのは当たり前のことですが、一度でも信頼を失墜させるようなことが起これば、そのイメージは「安かろう悪かろう」というイメージに塗り替えられてしまうものです。
そもそもマクドナルドは低価格路線を打ち出して集客に成功していたのですが、問題発覚後に高級路線に変わったことが更にイメージ低下を招く要因となりました。
「安全というコスト込みでの低価格」が魅力でしたが、問題発覚後の値上げでは「安全というコストを上乗せ(後乗せ)した」としか受け取られませんし、逆に「それを最初から行っていたモスバーガーはやはり信頼できる」というライバル企業のイメージアップにも一役買ってしまったとも言えるでしょう。
お客様のニーズを読み解き、適切な物を提供する
もちろんモスバーガーの高級路線が(今後も)正解であるというわけでもありません。
デフレ時代ではマクドナルドの低価格路線がお客様にとっては正解であり、今の時代ではモスバーガーがお客様にとっては正解だというだけです。
これは外食産業に限ったことではありません。
どんな仕事であっても、そしていつの時代であっても「お客様のニーズを読み解き、適切な物を提供すること」こそが正解です。
・・・但し、いくらマーケティング、分析した結果、臨機応変な戦略が良いという結論であっても、度が過ぎると「軸がない」「いきあたりばったりだ」と取られてしまい、信頼を得ることは出来ません。
(例えば「日によって言う事が違う人」を信じることなんて出来ませんよね?)
戦略が一貫していない、コンセプトや軸が全くないのでは、お客様から一番大事な「信頼」を得ることは出来ません。
「お客様のニーズを読み解き、適切な物を提供すること」、更に「自分の軸を持つこと」こそが全てにおいて成功するための戦略であると私は考えます。