購買行動を分析した法則2つを紹介―基本中の基本を抑える!
自社の商品を買ってもらうために、取り組むべきことはなんでしょうか。
道ですれ違う人にいきなり商品を売ろうとしても、なかなか売れるものではありません。とくに高価な商品である場合、消費者の検討期間が長いため、価値を認めて購入してもらうために様々な判断材料を準備する必要があります。
購買行動プロセスとは、消費者に商品を認知させ、良さを伝え、他社と比較し、購入してもらうまでのプロセスのことを言います。それらプロセスが自然に生まれることは稀で、大抵の場合マーケティング戦略の立案時に設計されます。(もし意識してなくでも、なにかしら実施しているものです。)
原則として購買行動プロセスは自社に合ったカタチを策定すべきですが、ある程度フレーム化されており、有名なモデルが存在します。今回はそのなかでも日本で一般的な「AIDMA」と「AISAS」をご紹介します。
自社の購買行動プロセスを考えるときの参考にしてください。
AIDMA(アイドマ)
AIDMAは各プロセスの頭文字を並べたものです。ひとつずつ説明していきます。
Attention | 「注意をひく」消費者が商品の存在を知る段階です。どんなにいい商品を作っても、知られなければ買われることはありません。プロモーションを行い、認知を広めます。 |
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Interest | 「興味をもたせる」消費者に対して課題を提起する段階です。消費者が普段感じている悩みや不安をはっきり認識してもらうためのコンテンツを用意します。 |
Desire | 「欲求を感じさせる」提案する商品が消費者にとって唯一の解決方法であると感じてもらう段階です。商品の内容をくわしく説明します。 |
Memory | 「記憶する」消費者が商品の印象を強く持ちっている状態です。 |
Action | 「行動(購入)する」消費者が実際にアクションする段階です。上記のプロセスがしっかりしていればアクションは軽くなります。 |
AIDMAの法則のポイントは「Interest」「Desire」で「この商品が気になる」「買ってみたいけれど本当に大丈夫なのかな」といった不安の払しょくすることです。
著名人を起用した広告や、その道の権威のコメント、口コミを最大限に利用するのが近年の広告業界の主流手法となっています。
AISAS(アイサス)
AISASは近年、インターネットで調べる・購入する現代においては意識すべき購買行動の法則です。
Attention | 「注意をひく」消費者が商品の存在を知る段階です。どんなにいい商品を作っても、知られなければ買われることはありません。プロモーションを行い、認知を広めます。 |
---|---|
Interest | 「興味をもたせる」消費者に対して課題を提起する段階です。消費者が普段感じている悩みや不安をはっきり認識してもらうためのコンテンツを用意します。 |
Search | 「検索させる」検索エンジンやSNSで情報を収集する段階です。商品の詳細情報や他社比較、口コミなど信頼性が高まるコンテンツを用意します。 |
Action | 「行動(購入)する」消費者が実際にアクションする段階です。上記のプロセスがしっかりしていればアクションは軽くなります。 |
Share | 「共有する」商品やサービスの使用感や感想を、ブログやSNS、通販サイトの口コミで他者に共有する段階。 |
営業マンが直接セールスする場合とは違い、インターネット上では容赦なく比較され評価され、キャンセルされるのが現実です。
「いつも気軽に相談に乗ってくれそうなあの店から買いたい」と思ってもらわなくてはなりません。サイトでは商品情報はもとより、活用術や手入れの方法、一緒に使うとよい商品の提案など、コンテンツを充実させておく必要があります。
この局面が、いわゆる対面販売でいうところの「人対人」の部分に相当するからです。メールや電話での、ほんの些細な問い合わせにも、丁寧に答えましょう。
顔を見ずに信頼を得ることはとても難しい事です。「One to One」を目指さなくてはなりません。
終わりに
AIDMA(アイドマ)もAISAS(アイサス)も、基本の考えはほぼ同じです。
「この商品、気になるな」という瞬間から、「便利かもしれない」と思い、「でも待てよ、本当に必要なのか」と疑い悩み、そして「やっぱり買おう」とすんなりいかないのが一般消費者の購買行動です。
消費者の疑問を払しょくするのが営業マンやサイトの役割です。
とくに価格帯が高いものや、機能が複雑な商品・サービスの場合、サイトの説明だけですべてを理解してもらうことは難しいです。動画などで見せる方法も流行っていますが、結局はやはり営業マンと対面で説明を受けるのが一番わかりやすいです。
ちなみにこのような細かな配慮は、購入後、AISAS(アイサス)の法則「Share」で力を発揮します。リピーターはファンになり、ファンはあなたにかわって宣伝してくれて、新たな顧客を連れてきてくれます。
実際の訪問にしてもサイト経由で販売するにしても、最後は「人間力」なのです。とにかく熱意をもって接する方法を考えましょう。