「4P戦略」―商品を正しく知らせ、届けるための具体策
「4P戦略」という言葉をご存知でしょうか。
マーケティングの4Pといえば自社・競合を比較する際などにもちいられる、最もベーシックなフレームワークです。別名「マーケティング・ミックス」とも呼ばれています。
このエントリーではそのマーケティング4Pを使って戦略を決定する際に必要な視点をざっくり解説します。ではさっそく。
4P戦略の使いどころ
どなたでも商品やサービスを企画・開発するにあたり、さっくりとユーザーの利用シーン思い浮かべることはあるはずです。
一般的な商品やサービスはユーザーの「お悩み解決」のために存在します。
より具体的に商品の目的、メリットを明確にし、ユーザーのどんなお悩みを解決するのか商品の企画段階で詰めていきます。
しかし現代ではどんなにいい商品のアイデアが思いても、必ず売れるとは限りません。ある程度企画が詰まったら4Pをもちいて戦略を立ててみましょう。
「4P戦略」とは
マーケティング4Pとはその名の如く、4つの視点で販売戦略全体を確認し、市場において価値を高めるフレームワークです。
それではひとつずつみていきましょう。
1. PRODUCT:製品・サービス
あらためて企画された商品・サービスをみてみましょう。他社の類似商品と比較し、確実に優れたものでしょうか?
機能、デザイン、わかりやすさ、メリット、信頼性など他社にない、差別化要素を入れることが成功への近道です。例えば下記です。
- 医師監修で実現した脱毛防止効果(スカルプケアシャンプー)
- 美容研究家と研究したシミを目立たなくする特殊成分(ファンデーション)
- 1日に求められる栄養摂取量を満たしながらも苦くない(青汁・栄養ドリンク)
製品・サービスは改善や後戻りが難しい最も重要な部分です。慎重に練っていきましょう。
2. PRICE:価格
値価格は一般的に商品から得られる価値(メリット)とのバランスがとても大切です。
「安いけど高機能」、逆に「高いけれど耐久性は抜群で長く使える」「無料でメンテナンスしてくれる期間が長い」という価値とのバランスを考え、強みを位置づけましょう。
とくに経済低迷が続いている現在、どんなブランドもコストパフォーマンスが重視されています。高額商品は、それ相応の価値がなければ見込み客には振り向いてはもらえないでしょう。さらに、期待感と実際のギャップが激しい場合、炎上やクレームに繋がる危険があるので注意しましょう。
他社と競争力を鑑みると、価格は最も重要な比較要素となります。ウェブの普及により、簡単に比べられる時代だからです。
実は対面営業の場合、最も価値を感じてもらえるポイントです。
ウェブでは商品の善し悪しは非常にわかりやすいものです。対面営業では文字で伝わりにくい部分をユーザーにあわせ、サンプルや補足資料、対話において細かく補足することが可能だからです。
3. PLACE:流通・チャネル(どこで売るか)
ウェブのみでなく、実際の店舗でも取り扱うならば「商品を販売する場所」にも注意が必要です。
低価格な商品を取り扱う専門のスーパーに高級ブランドを置いても消費者は見向きもしません。または、若者が集う場所に年配向け商品を置いてもなかなか売れません。
実際にその商品をアピールしたい人たち(世代・収入・性別=ペルソナ)はどのような場所に「出没」するでしょうか。来店者の目的をしっかりリサーチしましょう。
サラリーマンやOLさんであれば、コンビニエンスストアがテリトリーに含まれるでしょう。健康を気にする人たちならば、ドラッグストアです。
子どもを健康的に育てたいと願う母親が通うのは、自然食品を取り扱う大型スーパーかもしれません。
※あえてギャップに着目した販売戦略もありますが、高等テクニックですし、リスクも高いです。
この場合も経験豊富な営業マンであれば数々のルートを掴んでいるものです。
4. PROMOTION:プロモーション(広告やアピール)
テレビCMや雑誌広告、ウェブサイト、ウェブ広告など、各チャネルに合った商品・サービスを認知してもらう方法を選択します。
ここで注意すべきは広告から発しているメッセージがペルソナ(具体的なターゲット)に合ったものでしょうか。
例えば本来ならば40代以上のターゲットに認知してほしい化粧品であるのに、若すぎるモデルを起用したりしていないでしょうか。オフィスで起こりがちなトラブルを解消するためのサービスであるのに、ビジネスシーンには似つかわしくない文言がキャッチコピーになっていないでしょうか。
実は大手広告代理店でもミスしがちなプロモーション戦略。4Pの情報が一体になって共有されないとなかなか難しいものです。
その道のプロフェッショナルがどんな人か考えることが重要です。
終わりに
自社の商品・サービスを欲している人に対し、正しいルートで正しいメッセージで商品の存在を認知させ、購入に踏み切ってもらう。
まとめると「4P戦略」=「販売戦略そのもの」と表現してもよいかもしれません。
繰り返しになりますが、PRODUCT・PRICE・PLACE・PROMOTION 、4つの“P”の整合性が重要です。4要素のうち、たった1つでもズレが生じれば「売れない」という現象に繋がるのです。
わかってはいても日々の業務は目の前の最適化に追われがち。ボトルネックをいかに解消できるか。利益を上げるためには4Pを常に検証していくことが必要です。
最後に、ウェブが主流になりつつある今でも、画面の向こうにいるターゲットはあくまで人間です。One to Oneを経験した営業マンこそ、ターゲットの気持ちを理解しているものです。4Pは営業マンにとっても武器です。