米本社、日本マクドナルド株の売却検討 商社などに打診
ついに米本社もさじを投げたのか?
日本マクドナルドホールディングスの筆頭株主である米マクドナルドが、約5割を握る株式の売却を検討しているそうです。
最大約33%分を売る方針で、日本の大手商社などに打診しており、売却益を確保する一方、外部の資本やノウハウを入れて日本事業の再建を図るようです。
日本マクドナルド株の売却検討 米本社、商社などに打診 (朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース
米本社自らテコ入れをしたものの売上高も客数も一向に延びず、一部の店舗も閉鎖することで再生を図りましたが、残念ながらまったく功を奏することはありませんでした。
生き残るための戦略とはいえど
発行済み株式の15~33%分の売却を提案していると見られ、33%分では1千億円規模になる。日本マクドナルドは1971年に東京・銀座に1号店を出して以来、米国本社が直轄体制を敷いてきたが、株式売却に伴って見直す方針だ。
日本マクドナルドは2015年12月期に380億円の純損失を計上する見通しで、2期連続の赤字になる。既存店の客数も11月まで31カ月連続で前年割れしており、経営再建を急いでいる。
全経営者の藤田氏のときでさえ株式売却を拒否し、フランチャイズ体制での運営でしたが、今はもうそんなことを言ってられないくらいに苦しい事情であることは外から見ても分かりますし、私を含め多くの人が予想はついていたことでしょう。
ここで株式譲渡を行うことで新しいノウハウも手に入れて再建を図る戦略、青写真を描いているようですが、そもそも自らの失策にて凋落の一途であるマクドナルドを救う人、企業がそう都合よく現れるとは正直思えません。
問題発覚後の日本マクドナルド(ひいてはカサノヴァ氏)の対応は確かに間違いだったと言わざるをえません。
(多くの人が「ズレているな」と感じたのではないでしょうか。)
そこから更に窮地となったことで「やっぱり日本の問題は日本人に任せよう」と考え直したのでしょうが、もう「遅きに失する」としか言えません。
問題を軽視しすぎたことが失敗のもと
14年7月には中国の工場で期限切れ鶏肉の使用問題が発覚。今年1月には異物混入も表面化し、売上高と客数が急減した。全国約3千店のうち不採算の約190店を年内に閉める。
これは私の個人的な意見ですが、日本人は特に「食」には厳しいと感じます。
しかしそれが当たり前な反応であり、マクドナルドはむしろそこを軽んじた(分かってはいたが反省が足りなかった)ことで、同様の問題を起こしてしまったことは致命的なミスであったと言わざるを得ないでしょう。
マクドナルド、いや、食に関わらず全ての仕事においても同じことが言えます。
人は完璧ではありません。失敗する生き物です。
むしろ失敗した際にどうリカバリーするか、同じようなことが起きないように考えることが大切であり、対策を行うことこそが問題解決に繋がります。
全ての仕事も一緒です。
失敗してしまったことは変えようがありませんが、そこからどうリカバリーするか、同じようなことが起きないように考えて対策を行うからこそ仕事は進み、それがお客様の信頼へと変わります。
ですが時を経たずして同じような問題を起こしてしまったら・・・もちろんお客様の信頼をなくしてしまいます。
何ら考えていない、対策を行っていないという評価をされるからです。
(結果的には何もしていないのと一緒ですからね。)
残念ながら信頼は築きあげるのには時間がかかりますが、壊れるのは一瞬です。
人も企業も一緒で「失敗した時ほどその本質を見られている」ということを肝に命じたいものです。