ドコモが日生の保険を販売 店舗網を活用し、セット割引も検討
最近は色々な業種がコラボレーションを行っていますが、果たしてこのコラボレーションはうまくいくのでしょうか。
NTTドコモが、来夏にも日本生命保険の生保商品をドコモショップで販売する方向で最終調整しているそうです。
更に、携帯料金と保険料支払いのセット割引も検討していて、近く発表するそうです。
ドコモが日生の保険を販売 店舗網活用、セット割引検討 (SankeiBiz) - Yahoo!ニュース BUSINESS
支払いのセット割引はとてもよいこと、お客様にとっては嬉しいことだとは思うのですが、保険の販売はまた別の話ではないかと個人的には考えます。
マッチするコラボレーションか?
日生がドコモの店舗スタッフ教育を請け負い、スタッフの資格取得に応じて順次取扱店を拡大する。
ドコモは「日生以外の生保の商品も扱うことになる」と話しており、複数の生保商品を扱う乗り合い代理店として携帯利用者に最適な商品を販売していく。
ドコモが日生の保険を販売 店舗網活用、セット割引検討 (SankeiBiz) - Yahoo!ニュース BUSINESS
ドコモショップの店員さん、接客係の方はFP(ファイナンシャルプランナー)の資格を取得するのでしょうか?
(複数の生保商品を扱う乗り合い代理店ということは、やはりFPが必要となります。)
保険は簡単に購入するような商品ではありませんし、購入するとしても専門家、保険のプロから購入したいと多くのお客様が考える商品です。
確かにドコモショップで購入できるという手軽さは場所的なメリットとして大きいのでますが、いざ、商品の専門性となると多くの疑問符がつくことになるのではないでしょうか。
それは、どうしても「ドコモショップ店員」という肩書が先に来てしまう、イメージが先行してしまうことは否めませんし、それによって保険のプロという専門性のイメージは薄れてしまうからです。
極端なことを言えば保険という商品は形がないものであるからこそ、イメージがとても大切な商品です。
そのイメージを安くしてしまうことは、値段を安くすること以上のデメリット、保険をチープなイメージにしてしまうのではないでしょうか。
保険は安いから買うものではない
更に言えば、支払いのセット割引は金銭的にはメリットではあるのですが、(前述のように)それが逆に保険のイメージを落とす要因になりえるともいえます。
現在の携帯電話の料金サービスは色々な付加サービス、プランの組み合わせで契約することで安くなります。
付加サービスの中にはいらないものもあるのですが、料金を安くするために半ば強制的に加入させられるものもあります。
保険も同様で、色々な付加サービス、プランの組み合わせで契約することで安くなりますが、中にはいらないものだが、料金を安くするために半ば強制的に加入させられるものもあります。
携帯電話のサービスはまだ単価が安いので抱き合わせ販売だと分かっていても、「無駄だけどまあいいや」と容認出来る部分もあるのですが、保険となるとそうはいきません。
保険は単価が高いこともあり、「無駄な物(プラン)を何でつけるの?」と、お客様は不満に思うのではないでしょうか。
なぜなら保険は安いから買うものではないからです。
保険を売りやすい場所だから保険が売れるとは限らないのです。
(そもそも「売りやすい」という論理は、売る側の勝手な理由です。)
個人的な意見ではありますが、このコラボレーションはあまりうまくいかない、(ドコモショップの店員さんを教育するコストばかりかかってそれ以上に)売れないのではないかと私は考えます。