制裁金は2.1兆円超か フォルクスワーゲンが米排気ガス検査での不正認める
ルール内での創意、工夫は「企業努力」といいますが、ルールから逸脱した行為は企業努力ではありません。
ただの不正です。
ドイツの大手自動車メーカー、フォルクスワーゲンが米連邦環境規制に基づく排気ガス検査での不正を認めたことを受け、米司法省は同社に対する刑事捜査に乗り出したことが報じられていました。
独VW、米排気ガス検査での不正認める−制裁金は2.1兆円超か (Bloomberg) - Yahoo!ニュース
制裁金はもちろんですが、今回の不正でフォルクスワーゲンの大幅なイメージダウンは免れませんし、長い目で見れば制裁金以上のダメージを受けることにもなるでしょう。
(株価も2015年9月22日現在、23%も下がっています。)
悪質な会社ぐるみの不正?
VWとアウディ部門のディーゼルエンジン車は、当局による検査の時だけ排気ガスをコントロールする機能がフル稼働するソフトウエアを搭載して販売されていた。米環境保護局(EPA)によると、通常走行時の排気ガスは基準の10-40倍に達する。
「検査の時だけ排気ガスをコントロールする機能がフル稼働するソフトウエアを搭載」
この一文だけで故意に行われていたということ、そして、組織的に不正を行っていたという証明にもなりなすね。
前述のようにルール内での創意、工夫は「企業努力」といいますが、ルールから逸脱した行為は企業努力ではありません。
今回の件ならばルールの上で競い合っている同業他社はもちろんですが、一番信頼を得なければいけない相手、お客さんを欺き、迷惑をかける行為です。
最大180億ドル(約2兆1600億円)という制裁金の額の大きさにもびっくりですが、最悪、制裁金だけでなく市場からの撤退、そして販売禁止すらありえるかも知れません。
仕事、企業に限らず「バレなきゃいい」という考えで行われた行為は、往々にしてバレる、漏れてしまうものです。
「天網恢恢疎にして漏らさず」です。
(提携解消したスズキはもしかしたらこの不正を知ったからでは?と邪推してしまいますね。)
EPAは、米国の大気浄化法への違反に対して司法省による刑事訴追につながり得ると説明。EPAのシンシア・ジャイルズ氏によると、同局は1台当たり3万7500ドルの制裁金を科す可能性がある。対象車は48万2000台で、その場合、最大180億ドル(約2兆1600億円)となる。2009-15年型が対象。
ジャイルズ氏は「こうした仕掛けを車に搭載し大気浄化規制を逃れることは違法であり、国民の健康を脅かすものだ」と指摘した。
窓口である営業が矢面に
企業の不正、ネガティブなニュースは「悪事千里を走る」であり、今後は窓口である営業が更に矢面に立つことは否めません。
(会うお客様全員に「この件について」見解を求められるでしょう。)
営業は「私がやったわけではないのに・・・」という理不尽な気持ちが暫く続きますし、何よりも一番ショックなこと、一番のダメージは今まで築き上げた「信頼」が一瞬にして崩れることです。
さらにこれを機に、「契約を切られる」こともあるでしょう。
営業は商品、サービスを売るだけが仕事ではありません。
一緒に信頼も売っています。
むしろ、その信頼を得ることによって成約に繋げています。
その信頼を損なうことを本体である会社、企業がやってしまえばお客様と一番コミュニケーションを行っている営業が矢面に、かつ窮地に立たせることになります。
何度も言いますが、ルール内での創意、工夫は「企業努力」といいますが、ルールから逸脱した行為は企業努力ではありません。
ただの不正です。
仕事してやるからには結果が求められますが、その結果が不正によって得られたものなら何も価値はありません。
全てにおいて信頼が大切ということ、不正によって得られた結果には価値がないということを肝に銘じてください。