企業の情報、目立つ専門用語から営業を考える
「トクホ」ってよく聞くけど、何の略で、どんな効果があるんだっけ?
ちなみにトクホは「特定保健用食品」の略で、保健の効果(許可表示内容)を表示することのできる食品です。
このように、意味の分からない専門用語(特に機能性食品)では、むずかしすぎて消費者の私たちにはいまいち伝わらない言葉が結構あります。
そんな言葉の意味をどう伝えるか、そして、理解、納得してもらうかということは商売に限らず仕事ではとても重要です。
今回はコミュニケーションの上でも重要な「伝えること」について書いてみます。
「アゴニスト活性」「潜在的な選択バイアス」
健康食品大手ファンケルが19日に発売する機能性表示食品「えんきん」は、ルテインなどの成分を配合、目の健康への働きをうたうサプリメント。「手元のピント調節機能を助けると共に、目の使用による肩・首筋への負担を和らげる」と消費者庁に届け出た。同社は「科学的根拠は臨床試験で実証。パッケージもわかりやすくした」と言う。
(中略)
ところが、実際に公開された消費者向けの情報を見てみると、専門用語やむずかしい表現を多用する商品がいくつもある。「プラセボの経口摂取と比較して」「アゴニスト活性」「無作為化コントロール試験」「潜在的な選択バイアス」といった具合だ。食の安全・安心財団理事長の唐木英明・東大名誉教授は「一般の消費者が理解するのはむずかしい」と話す。
・・・聞きなれない言葉だということはもちろんあるのですが、この言葉、単語だけでは全く意味が分かりませんね。
(意味が分かる人いますか?)
特に商品説明の文章は、専門用語を「翻訳」して、わかりやすくするべきと言えます。
専門用語を並び立てて、さも知識がある、権威があるように振舞ってみても、お客さん(ユーザー)が中身を理解出来ないのなら全く意味はありませんよね。
ただ「知識をひけらかしてるだけ」の自己満足に見えてしまうことすらあります。
特に営業ではコミュニケーションが一番大事ですし、大切なことは相手に「伝える」ことなのは言うまでもありません。
難しいことを難しいまま言のはNG
あのタモリさんもこんな言葉を言ったとか。
「難しいことを難しいまま言うやつ、あれ馬鹿だよね」
名言です。
これに限らず、難しいことを難しいまま言う人は得てして「理解していない」ことが多く、理解していないからこそ平易な言葉、文章に言い換えることが出来ないとも言えます。
だからと言って「知ったかぶり」することはもっと駄目ですよ。
(後々に印象が悪くなりますからね。)
人に説明を行うには、先ず、自分がしっかり理解すること。
そして、相手にそれをしっかり伝えることが、仕事でも大切なことなのです。
(自分が理解していないことを、他人に理解させること自体が無理ですからね。)
健康食品のコンサルタントをするグローバルニュートリショングループの武田猛社長は、各商品の公開情報の書きぶりから、それぞれの企業の姿勢が透けてみえると言う。「消費者がわからない情報を公開しても意味がない。企業には丁寧に説明する責任がある。届け出が受理され商品に表示できればよいという内容では消費者に支持されず、結局企業のためにもならない」と話す。