食品業界の値上げ(プレミアム)からお客様に「納得感」を持たせる仕事を考える
値段に納得してもらうには付加価値をつける。
これは食品や電化製品、商品・・・etc に限ったことではありません。
私たちの「仕事」でも同じことが言えます。
特に値上げの場合は付加価値を高めることで、お客様に値上げの理解、納得を得られるかが大切になります。
牛丼チェーンの松屋フーズからコンビニエンスストア最大手、セブン&アイ・ホールディングスなど、牛丼もパンも高付加価値商品には相応の金額を支払うとの前提に立った戦略をとることが報じられています。
食品業界に値上げの波、牛丼もパンも−プレミアムで「納得感」狙う (Bloomberg) - Yahoo!ニュース
今回のようなプレミアム戦略は、デフレ経済の下で成長したユニクロを擁するファーストリテイリングなどがとってきた低価格戦略からの移行だともいわれています。
今回は低価格戦略からプレミアム戦略への移行を例に、仕事の価値についても考えてみます。
お客さんに納得してもらう
原価の高騰によって最近では値段を据え置きながら、内容量を減らすことも多くなっています。
(どちらかというと今でもこちらの戦略のほうが多いですね。)
また、値上げの一方で、強気の価格設定に踏み切る動きもあります。
小売り企業が従来の値下げでなく値上げに踏み出したのは、アベノミクスの効果もあると言われています(実質賃金は4月に前年比0.1%増)。
但し、その値上げの理由をただ説明するだけではやはりお客様は納得しません。
価値も上げないといけないのです。
価値を上げる
マッキンゼー&カンパニーでの勤務経験を持つ経営コンサルタント、菅野誠二氏は企業が値上げする際に消費者に「納得感」を持ってもらえる「実のある」値上げが必要だという。「われわれが上げたのは値段だけでなくて、価値を上げましたということが提案できる会社は生き残れるだろう」と述べた。
「上げたのは値段だけでなくて、価値を上げましたということが提案できる会社は生き残れる」
これは商品に限らず、全ての仕事においても言えることです。
消費者、お客さんの立場になって考えた場合、ただ「値上げしました」というだけでは納得出来ませんよね。
値上げの理由はもちろんですが、やはりそれだけの価値を提供することが必要ですし、それがあって初めてお客様も納得すると言えるでしょう。
また、「価値を上げる提案が出来る」ということは、自らの仕事、サービスにも広がりを持たせることが出来るとも言えます。
(安くする、ディスカウントするということは自分の仕事の価値はもちろん、幅も狭めていることと同義だとも言えるでしょう。)
お客様に必要なものを買ってもらう
デフレで委縮した企業や消費者の心理を変える先導役は、食品産業や食品小売り、外食だとブルームバーグ・インテリジェンスの消費財アナリスト、トーマス・ジャストラブ氏はみている。消費者が食料品や飲料を買い控えることはないからだ。「新しい車やテレビ、冷蔵庫を買うのを我慢するほうがはるかに簡単だ」とジャストラブ氏は述べた。
確かに食品は買い控えることはありませんし、車やテレビなどは買い控える、我慢することが多いでしょう。
逆に言えば「お客様は必要なものなら買う」とも言えます。
例え車やテレビであっても「必要なもの」なら買うのです。
仕事も一緒です。
お客様にとって必要なことなら「仕事は発生するのです」。
物を売ることだけが商売、仕事ではありません。
「お客様に必要なことを提案する。」
それが出来れば少々値段が高くても商売となり、かつ仕事が発生するものだと私は考えます。